幽霊

僕はどうしても証拠主義なので、実際に確認していない事に対しては、否定的な考え方をしてしまいます。

でも、長年探偵をしていて、四六時中、朝でも昼でも深夜でも調査をしていると、不思議な物体を見る事がありますし、不思議な現象が起こってしまった事もありますし、撮影した事も数回あります。

不思議な物体を見たとか、不思議な現象を経験したは、見間違いや、偶然が重なったとかで否定出来るかもしれませんが、撮影した映像内の奇妙な物体は、カメラは嘘を付かないので、やはり本物かな〜と考えています。

平ぺったい、大きな横顔が車内に入って出ていたのを目で見ましたし、撮影も出来ていたり、黒いモヤモヤっとした人型の影が歩いているのを撮影していたり、赤い服の少女が空中に浮いているのを撮影していたり、不思議な事はあるんだなとの認識をしています。

特に、赤い服の少女を見た時は、幽霊って服を表現できるんだ。と変な意味でビックリした事を覚えています。

で・・・

幽霊を見たぞ!っていう事を今回は言いたいのではなく、霊能者の方を否定する事になるかもしれませんが、幽霊を見る事までは、僕も映像などからそういった現象もあるんだなと思うようにはなったのですが、その幽霊の詳細まで何故分かるんだろう??との疑問があります。

さらに、なぜ、お祓いまで出来るんだろうとの疑問があります。

僕は平ぺったい大顔を見ましたが、それが何年前に死んだとか、地縛霊とか、自殺者の霊とか、男性なのか女性なのかは、まったく分かりません。

でも、霊能者は心霊写真とかを見るなり、これは35年前に親友に裏切られ、無念の自殺をした霊だとか、海で溺れた霊だとか、恋人に裏切られ、恨みを持って死んでいった霊だとか、言い当てるのですが、それがとても不思議でなりません。

人間で言えば、知らない他人の写真を見るだけで、その人の過去を言い当てるようなものです。

霊を見る事が出来る能力と、霊が何者か言い当てる能力、また、お祓いをする能力は、まったく別物ではないのかな?と思ってしまいます。

「貴女の肩に悪霊が付いているから、お祓いします。」

何故、悪霊って分かるんだろう??

人間で言えば、医者の診察レベルだと思うのですが、何故診察まで出来るのだろうか?

お祓いは、人間で言えば手術レベルだと思うのですが、何故そこまで出来るのだろうか?

幽霊が見えるだけで、何故そこまで出来るのか疑問です。

幽霊を見る人、見える人は、僕も見たので信じたとしても、だからといって、幽霊を見れる人が、その霊が何者なのか言い当てたり、除霊するのは別次元の話だと思います。

幽霊が見える=除霊が出来る

は違うと思います。

幽霊が見える+さらに別の特殊能力=霊が何者なのか言い当てる。

幽霊が見える+さらに別の特殊能力+さらに別の特殊能力=除霊まで出来る。

だと思います。

特殊能力が3つ揃っている人って、世界に何人いるんだろう??

なんでこんな話をしたかというと、夏だからもありますが、依頼者さんが僕の知らない所で、霊能者に相談し、夫が浮気しているのは悪霊のせいだと言われ、数十万や多い時は数百万を支払って、悪霊の除霊をしていた事があったり、お金を払う前に僕に相談してくれて、上記の事を話して納得してもらった事がありました。

また、霊能者が、この場所が怪しいとか、この日に浮気するとか言って、依頼者さんがその場所を調査してほしいとか、その日に調査をしてほしいと依頼され翻弄された事もありました。

完全否定まではしませんが、悪霊を除霊して不貞行為問題が解決出来るのであれば、探偵なんてこの世界に必要ないと思います。

それでは。

「夫の浮気に制裁を」


よろしくお願いします。


2時間後・・・

着信音で目を覚ました。

真紀さんの携帯電話番号からの着信だ。

スマホは無事交換できたようだ。

「トランさん。終わりました。」

「何か問題はありませんでしたか?」

「信用金庫に、なぜ通帳を作るか聞かれたぐらいで、他は大丈夫でした。」
「学校もすごく親身になって頂いて、対応して頂けるそうです。」

「それは良かったです。」
「ご主人から、連絡は来ていましたか?」

「主人から、着信もメールも何もありません。」
「まだ、携帯が壊れていると思っているかもしれません。」

「了解です。」

「では、次にする事をお伝えします。」
「これから、真紀さんは役場に行って、離婚の不受理届を提出して下さい。」
「不受理届を出せば、ご主人が勝手に離婚届けを書いて提出しても受理されません。」
「ご主人が自分の立場が悪いと気づいた時、勝手に離婚届けを出すかもしれません。」
「それを阻止したいです。」

「そ、そこまで主人はしますか?分かりました。」

「それと、顔に怪我をした貴方が不受理届を出したいと言えば、役場の人がどうしたのか聞いてくるかもしれません。」
「その場合は、ご主人に暴力を振るわれた事を伝えて、相談できる所があるか聞いてください。」
「聞かれなければ、貴方から主人の暴力の事で相談をしたいけど、どこで相談したらいいか尋ねて下さい。」
「婦人相談センターとか、DV相談窓口や、配偶者暴力相談支援センターなど、役場によって名称はいろいろありますが、相談を受け付けつけてくれます。」
「そこで、昨日の暴力の事を相談して下さい。」

真紀さんは不思議そうに聞いてきた。

「え?でも相談したら、主人は捕まってしまうのではないですか?」

「現行犯でないので、真紀さんの一方的な話だけで、役場が警察に通報して逮捕という事はありません。」
「DVシェルターを望むと警察も関わってきますが、今は実家に避難しているといえば、警察にも言うように勧められますが、役場では相談だけで終わります。」
「貴女の顔の怪我が治る前に、そういった所に相談をして実績を残しておきたいです。」

「私の顔の怪我が証拠になるのですね。・・・分かりました。」
「トランさんが言っていた、作戦というやつですね。」

「作戦というか、作戦をする為の準備段階ですね。」

「それが終わったら連絡をして下さい。」
「また、ご主人から連絡があれば、すぐに教えて下さい。」
「ご自分でメールをするのでなく、僕に相談してからメールをして下さい。」
「これからは、ご主人の先の行動を推測してメールをしないといけないですし、メールは証拠になります。」
「こちらのメール内容も気を付けないといけないです。」
「出来れば、ご主人から先にメールが来て、今回の暴力に関して何らかの言い訳があれば、暴力を認めた証拠を残せますが、ご主人は暴力をした事自体認めないかもしれません。」

「・・・主人ならそうかもしれません。」
「あの人はずる賢いので。」

「なので、もうしばらくご主人からのメールを待ちますが、メールが無ければこちらから仕掛けるようにします。」
「そこからが、戦いの開始になります。」

「・・・分かりました。」
「私は何もやり方が分からないので、トランさんに従います。」
「お願いします。トランさん。」

「分かりました。」

電話を切り、僕は雄太の会社に向かうことにした。

まだ眠気もあり、体力も万全ではないが、何とかいけるだろう。

雄太の会社に着き、監視体制に入った。

今日もひとみのマンションに宿泊し、明日の朝、マンションから出るのを押さえれば、連続して宿泊したと証明出来る。

そうなれば、不貞行為の証明は完璧だ。

そこまで出来れば、一区切りだ。
それまでは頑張らないと。

18時32分

ひとみよりも先に雄太が出て来た。

雄太の尾行を開始する。

「・・・・・ん?」

雄太の顔がかなり険しい。

それに、後ろを振り返る回数が朝よりも増えている。

浮気が完全にバレたり、浮気をしているだろうと問い詰められた人物は、その瞬間から警戒を常にする事は多いが、録音がバレただけで、浮気を知っている事は何ひとつ話していないのに、朝よりもさらに警戒を強めているのに、違和感を覚えた。

「・・・・・・・。」

僕は細心の注意を払い、人込みに紛れながら、雄太の尾行を継続した。

雄太は、いつも通り駅に向かい、ひとみのマンション方面の電車に乗車する。

僕は、隣の車両で雄太を監視する。

雄太は、一緒に乗り込んだ車両の乗客達の顔を見ては、目を瞑り頭に刻み込んでいるような仕草をしていた。

やっかいだな・・・

不安がよぎる・・・

電車が、ひとみのマンションの最寄り駅の一つ前の駅で停車する。

すると・・・

雄太が下車した!!

この駅で降りる乗客は少ない。

雄太を含め、20人近くの乗客が降りる。

僕は車内から動かないようにした。

雄太の行動は・・・

どう考えても、尾行者の確認作業だ。

雄太は一緒に降りた乗客達を確認していた。

一人の乗客が、ホームで立ち止まり、スマホで通話を始めた。

雄太はその男に鋭い視線を向ける。

雄太は改札口には向かわず、ホームに立ったままだ。

電車のドアが閉まり、電車が動き出した。

横目で雄太を確認するが、かなり険しい表情で乗客を睨んでいた。。

「・・・・・・・・。」

これは・・・

この行動は・・・

疑惑での行動ではなく、明らかに確信の行動だ。

尾行されていると分かっている行動だ。

「・・・・・・・・・。」

何故・・・バレた?

何が・・・バレた?

何処まで・・・バレたんだ?

後、少しで完璧に証明出来るのに・・・

「・・・・・・・・・・。」

さあ、どうする・・・

僕は電車に揺られながら・・・

今後の対応を考えていた。

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