暑い・・・
もう、熱いという漢字でいいんじゃないかと思うほど暑い・・・
探偵って、車内で監視する時はエンジン切るのが普通なんですよね。

エンジンを切って1分で汗が吹き出し、5分でタコ湯でになりそうな勢いです。
クーラーボックスの中に、凍ったポカリスエットとか、保冷剤とかがたんまり入っているので、脇とか股とか首とか冷やしますし、ポカリスエットも飲むようにしているのですが、それでも、監視が終わって外に出て立つと、汗でズボンが重くなり、自分の汗だけでズボンって重くなるんだ〜と、毎回変に感心してしまいます。

探偵になりたいと弊社に飛び込んで来る人もいますが、大体、夏の車内の辛さで辞めていく人が多いです。
根性論で我慢出来る状況でなく、本当に死ぬかもしれないですからね。

車内のカメラを遠隔でスムーズに操作出来ないか考え中です。

中々更新ができなくてすみません。

それでは

「夫の浮気に制裁を」

よろしくお願いします。

自宅に到着し翔太は車で寝かせたまま、準備を始めた。

真紀さんには、自分や翔太の物だけでなく、雄太の通帳や保険関係、権利書や雄太の給料明細、貴金属などの価値のある物など、金に絡む関係の物はすべて持ち出すように伝えた。

真紀さんが実家に電話をする時に、僕は真紀さんの自宅に近くの道路に、無線タイプの人感センサーを置き、人や車が通ると通知するようにした。

大型カメラで悲惨な状況のリビングを撮影し、テレビの放送を撮影し、スマホ画面を撮影し、今日だと証明出来るようにした。

少しすると人感センサーから通知が来た。

外を確認すると、車が一台自宅の前で止まる。

「・・・・・・・・。」

ポケットに防犯スプレーがあるのを確認し、真紀さんに声をかけた。

「真紀さん。誰かが来ました。」
「僕は翔太くんが心配なので、外にでます。」
「僕が良いと言うまで、鍵は必ずかけて下さい。」

真紀さんも慌てて車を確認する。
車を見ると、ホッとした顔で言った。

「あ、大丈夫です。」
「私の父の車です。」
「手伝いに来てくれました。」

「そうですか・・・」

と言いながら、僕の事をどこまで説明しているのか聞こうとした所、チャイムが鳴り響き、真紀さんがドアを開けると、父親が勢いよく飛び込んできた。

「ま、真紀!!大丈夫か!!」
「酷い怪我じゃないか!!」
「翔太は、翔太は大丈夫なのか!?」

そして僕をジロッと睨む・・・

・・・いつものことだ。

真紀さんがある程度説明をしていたとしても、僕を不審がるのは仕方がない。
こういった状況には慣れている。

真紀さんには準備をしてもらい、僕は父親と話すことにした。

こういった状況で失敗するのは、父親や母親が怒りにまかせて暴走してしまう事だ。

状況を見極め、適切な時期に、適切なカードを一枚一枚切っていかなくてはいけないのに、感情で行動されてしまい、このタイミングでは言ってはいけない内容、情報、証拠をどんどん話してしまう両親がいる。

過去、その事によって、7枚あったカードがすべて行動を起こす前に、相手側に伝わってしまった事があった。

当然、相手側は偽装工作をし、さらに嘘の証人まで付けられてしまった、苦い経験がある。

結局は再調査をし、なんとかギリギリで勝てたが、当然調査費用は上乗せになってしまった。
慰謝料、離婚条件も僕が当初予測していたよりは低い条件になってしまった。

まだ信頼関係を築いていない父親に、年下の僕の言う事を聞かせるのは至難な事が多い。
特に父親は、会社ではある程度の役職が付いているタイプほど、自分のやり方、考えが正しいと思い込み、暴走してしまい結果、不利になってしまう事がある。

いくら会社では優秀でも、会社では指示をする立場でも、この場合は専門家の意見を取り入れてほしい。

両親が暴走してしまった事で、僕や依頼者の段階では完璧なシナリオが一気に崩れ、苦しくなり、依頼者と両親が喧嘩になる事もある。
両親に伝えるときは、その後の両親の行動を予測して話してほしい。

この時も、雄太は電話に出なかったが、父親は十数回、雄太に連絡をしていた後だった。

僕は真紀さんの為だと説得しながら、今、雄太に連絡を取ったりしたら、真紀さんが不利になると説明し、この場では連絡はしないところまでは納得させることは出来た。

父親の車と雄太名義の車に荷物を乗せ、僕の車はコインパーキングに止め、二台で実家に移動する。

僕は雄太名義の車を運転し、実家に到着した。

実家では母親が心配そうに待ち構えていた。

実家に荷物を置き、翔太を寝かした後、真紀さんが両親に、雄太が浮気をしていた事、家での態度が酷かった事、離婚をしたいと言い出した事、真紀さんと翔太に暴力を振るった事などを話した。

真紀さんが一通りの状況を説明すると、両親は激昂し、警察に通報だと騒ぎ立てる。

僕は、真紀さんと両親に、雄太を警察に告訴する事は出来るし、今回の内容では逮捕まで可能だと言う事を話した。

が、その事によって雄太から金銭を取る事が難しくなる事も並行して話した。

刑事罰で責任を取らせる事は可能だが、その事によって会社をクビになるかもしれない。
将来的な養育費を考えると、数千万円が受け取れなくなるかもしれない。

怒りは分かるし、犯罪を許せない気持ちも分かるが、その事によって、翔太の養育費が減ってしまう可能性もある。

減ったとしても、真紀さんが働いて稼いだり、両親が援助するので、数千万円なんてどうでもいいと思うなら、数千万円ぐらい対した金額でないと思うのであれば、雄太を告訴すればいい。

しかし、民事で暴行をした事実を認めさせ、それを理由に雄太が翔太の面会を求めても拒否できるようにし、さらに不貞行為と暴行の慰謝料を取り、養育費や共有財産等も有利に持っていくようにする事が出来る可能性がある事を話した。

雄太から1円でも多く金を出させ、さらに翔太が成人になるまでATMとして利用する案だ。

真紀さんが僕に質問をする。

「でも・・・主人は翔太の面会は求めないと思いますよ。」
「今の主人は、翔太に愛情があるとは思えません。」
「暴力を振るうぐらいですから。」

・・・確かにそうかもしれない。
僕は真紀さんに説明した。

「ご主人は賢い方です。」
「だからこそ、必ず面会を求めてくると思います。」
「もしかしたら親権まで求めてくるかもしれません。」

「ま、まさか!ひとみさんと二人で暮らしたいに決まっています!」

真紀さんが感情をあらわにして、吐き捨てた。

「・・・・・・・・・。」
「ご主人の本心はそうです。」
「翔太くんの事は荷物としか、考えていないでしょう。」
「養育費も、いかに少なくするかしか考えていないと思います。」
「しかし、ご主人は自分を有利にする為に、面会や親権を求めてくると思います。」
「面会や親権を求める事で、真紀さんは困り、それに付け込んで、面会または親権を心から求めたいが、真紀さんがそこまで拒否するなら、面会や親権は求めない。その代わり養育費は減らせ、慰謝料を減らせと主張するかもしれません。」
「共有財産の割合も変えようとするかもしれません。」
「ご主人は自分が主張出来る事は、すべて主張するはずです。」
「自分を有利にする為に、ご主人が、面会や親権を求めるのは事は大きなカードになります。」
「実際、過去の調停や裁判で、明らかに本心では面会なんかしたくないのに、親権なんかいらないのに求めてくる主人側を多数見てきました。」
「特に弁護士が主人側に付いたら、よくやる定番のやり方です。」
「親権に関しては、妻側も必ず求めてくる事が前提でないとダメですが、面会に関しては審判で決定したとしても、離婚後に会いたくなかったら会わなければいいだけで、別に会わないから罪になる事もないです。」
「父親側が、面会を求めるやり方、作戦はセオリーです。」

「そんな・・・子供をだしにする父親がいるなんて・・・」

真紀さんは信じられないように、呟いた。


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