探偵になる条件の一つで、イケメンや美人は探偵に向いていないというのがあります。
理由は単純に目立つから。
でも以前、知り合った探偵がすっごいイケメンだったんですよね。
モデルか?と思うほどのイケメン。
探偵よりも、モデルの方が天職なんじゃないかって思えるほどのイケメン。
芸能界に行った方がいいんじゃないかって思えるほどのイケメン。

なので、それだけイケメンだったら、調査はかなり苦労しているんじゃないか?って聞いてみたら・・・

「そ〜なんですよ〜〜!!」
「髭を伸ばしたり、ダサい服着たり、ダサいメガネかけたり、頑張ってブ男になろうと努力しているけど、元がこれだから中々ブ男になれなくて・・・」
「もう少し太った方がブ男になれるかもと思って食べまくっても、全然太らないですし、苦労しているんですよ〜」

と・・・

苦労話をしてくれました。

でも何となく・・・

何となくですが、彼の話を聞けば聞くほど、自分が惨めになっていくような錯覚に陥りました。

また・・・

何となく、もしかして自慢かな?とゲスな考えをしてしまいました。

でも目立つのは厳禁なので、確かに苦労しているとは思います。

なので・・・

「そうなんだ〜大変だね〜」

と言うと・・・

「ブ男になる方法があったら教えて下さい〜〜」

と言い・・・

まるで、僕に聞けばブ男になれると思っているのかな??と勘ぐってしまう、自分の心の狭さを打ち消し・・・

「分かった。いい方法があったら教えるね〜」と、笑顔で答えましたが、やっぱり、何となく、何となく落ち込む自分がいました。

それでは。

「夫の浮気に制裁を 10」

よろしくお願いします。


その十字路は、二人の通り道だ。
早く移動させないと、とんでもない事になる。

慌てて真紀さんの方へ向かう。

近づくと、真紀さんだけでなく、子供も一緒だった。

「・・・・・・・。」

絶句してしまった。

最悪だ・・・

子供は僕に気づき、睨みつけている。

「・・・・・・・・。」

どんな場面でも、冷静さを失わないように心がけていたが・・・
さすがに、声を失ってしまった。

これは・・・かなりまずい。

子供は小学生高学年。

雄太とひとみが腕を組んで歩いている姿を見たら、ある程度状況が分かってしまうだろう。

小学生には、酷な現実だ。

それに、こんな所をあいつらに見つかったら・・・
これ以上証明する事が出来なくなる!!

声を荒げたい衝動を押さえ・・・

「何故ここにいるんですか?」

と、なるべく冷静に話してみる。

「・・・・・・・・・。」

真紀さんは何も答えない。
目はうつろだ。

小学校の男の子は無言だが、不審な目で僕を見ている。

それはそうだろう・・・
この状況を小学生が理解出来るはずがない。

しかし・・・

ここにいるのは最悪だ。

僕は真紀さんの手を取り・・・

「あちらに行きましょうか。」

と伝え、真紀さんの手を引こうとすると・・・

「お母さんに触るな!!」

と男の子が怒鳴り始めた。

「・・・・・・・・。」

・・・子供の対応は苦手だ。

僕はなるべく優しく、男の子に話しかけた。

「・・・僕はお母さんと知り合いなんだよ。」
「ここは怖い人が来る場所だから、あっちの方に行った方がお母さんは安全だよ。」

それでも、男の子は真紀さんを守るように、僕の前に立ちはだかっている。
まるで、その怖い奴はお前だというような目をして・・・

・・・どうする。

十字路から覗くと、二人がこちらに向かっているのを確認した。

時間がない!!

子供がいる前で、真紀さんに状況を説明する事は出来ない。

でも・・・

仕方がない!!

「真紀さん!!」
「貴女のしている事は最悪なんです。」
「いいんですか!!」
「全てが終わっても!!」

「この子の為にも・・・」
「しっかりして下さい!!」

真紀さんはゆっくりと僕を見て、ハッとした顔つきになった。

「わ、私・・・何てことを・・・子供まで連れてきて・・・」
「ど、どうしましょう・・・」
「ごめんない・・・トランさん・・・」
「ごめんなさい・・・」
「ごめんなさい・・・」

真紀さんは我に返ったのか、急に謝りだした。

「謝るのは後にして下さい。」
「今は、この場所から離れる事です。」
「それだけを考えて下さい。」
「そうしないと、真紀さん。」

「本当に・・・」
「全てが終わりますよ。」

真紀さんは、ようやく自分の状況を理解したようだった。

「・・・・・・・・・!!」
「に、逃げなきゃ・・・」
「は、早く逃げなきゃ!!」

十字路を覗くと、後20メートルの所まで、二人は近づいていた。

急がないと!!

「あちらに急いで走って下さい!!」
「お子さんにも伝えて下さい!!」

「は、はい!!あっちに走って!!」
「急いで!!」

真紀さんが言うと、子供は走り出した。
真紀さんと僕も走り出した。

「左に曲がって!!」

走っている二人に指示を出す。

二人は、次の十字路で左折した。
これで、二人からはこちらの姿は見えない。

だが油断は出来ない。
僕らの声が二人に聞こえたかもしれない。

僕は真紀さんに伝えた。

「そのまま、まっすぐ走り続け、次の十字路を右に曲がって下さい!!」
「その次は左です!!」

「は、はい!!」

真紀さんと子供は走り続けた。
僕は走るのを止め、壁から二人の様子を確認する・・・

ちょうど、先ほどいた場所を二人が仲良く腕を組んで歩いている所だった。
雄太とひとみは腕を組んだまま、通り過ぎて行った。
バレてはいないようだ。

「・・・・・・・・・。」

ふう・・・・

間一髪だ・・・

助かった・・・

「・・・・・・・。」

しかし安堵する反面・・・
大きな不安が襲ってきた。

「ヤバいな・・・」

どのような状況であれ・・・
僕は子供と接触をしてしまった。

これは、調査を継続する上で・・・
かなり大きな問題だ。

子供が雄太に話したら・・・
全てが終わってしまう。

想定外の状況だ。

「困ったな・・・」

さすがに弱気に・・・

なってしまった。

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