こんにちは。

桜にはあまり良い思い出はないのですが・・・

移動中に桜並木があったので、車を止めて見て来ました。

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桜じゃない花は何の花か分かりませんが・・・

やっぱり桜は綺麗ですね〜

見事でした。


それでは・・・


「私の修羅場4」行きます。


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『トラン探偵事務所』

私は心配になった。

泥棒が見つかって警察に捕まったかもとも思った。
でもあのおじさんが泥棒だとは思えなかった。
でもルパン三世みたいな泥棒もいるから、おじさんは本当に泥棒かもと思った。
でもあれはアニメだしとか思った。
なんか頭がごちゃごちゃしてしまった。

朝の10時過ぎぐらいに、毎日仲居さんだったり、別の人だったり掃除に来ていた。
その時は散歩に行ったり、ロビーにいたりしていたけど、部屋を出た時におじさんの部屋のドアが少し開いているのを見てしまった。

そっと部屋を見たら、掃除の途中で旅館の人はいなくなっていた。
私は部屋に入ってしまった。
そしたらおじさんの黒いカバンが一つ置いてあった。
私は安心した。
おじさんのカバンがあるって事は、おじさんは帰って来るって事だから。

でもびっくりした。
おじさんの部屋のコンセント全部に、充電器みたいなものが沢山繋がっていた。
タコ足?みたいなものがコンセントに繋がっていて、そこから沢山の充電器が繋がっていた。
洗面所も同じように充電器が沢山あった。
携帯の充電器みたいな物もあったけど、もっと大きな物もあった。

充電器だけで充電する機械は付いていなかった。
私は何の充電器か知りたくなってしまった。
だからおじさんの黒いカバンを開けてしまった。

びっくりした。
カメラがいっぱい入っていた。
写真を撮るカメラやビデオカメラがいっぱい入っていた。
ドキドキした。
見てはいけない物を見た気持ちになった。
慌ててカバンを閉じて、おじさんの部屋を出た。
私がおじさんの部屋に入ったのは旅館の人にはばれなかった。

私は子供と温泉街をブラブラしていた。
予断だけど、この頃は温泉街を歩いていると、お店の人達が「おはよう。」と言ってくれたり、子供におもちゃをくれたり、私にジュースやお饅頭をくれたりしてくれた。

小さな温泉街でずっと旅館に泊まっているし、この時間はよくブラブラしているから私を覚えてくれたようだった。

私は私なりに、おじさんの仕事を考えた。
たぶん状況的にカメラマンだと思った。
でも何日も帰ってこない事はあるかもしれないけど、黒い帽子をかぶって、黒い服装で夜中に出かけた意味が分からなかった。
夜中に出かける意味が分からなかった。
そしたら、お店の前のタヌキの剥製を見て、「これだ!」って思った。

おじさんは動物専門のカメラマンで、だからこんな山の中の旅館に泊まって、夜中に出るのも夜行動物を撮影する為なんだって思った。

汚れていたのも山の中に入っているからだと思った。
いつも疲れているのも、徹夜で動物を撮影しているからだと納得した。
珍しくスーツで出かけたのは、撮影した写真とかビデオとかをテレビ局に売りに行ったんだと思った。
それでまだ帰ってこないのは売れていないからテレビ局を回っているんだって思った。

全部が繋がってスッとした。
私の推理は間違いないと思った。
おじさんを泥棒と思ったのは心の中で謝った。
お詫びにおじさんの評価をもう一段階上げてあげた。

でも旅館を出る時に、私と子供の頭をよしよししたのは不安になった。
おじさんは撮影したのが売れなかったら旅館に泊まるお金がなくなるかもって不安になったと思った。
あまり良い出来じゃないから、おじさんは自信がなくて弱気になっていたと思った。

今思えばバカだったけど、この時は私は頭がいいかもって思った。

おじさんは5日後に帰ってきた。
今まで見た事がないぐらい疲れた顔をしていた。
歩いている姿もフラフラしていた。
それでも私は電話やメールに出ない事を怒ってしまった。
おじさんは相変わらず笑いながら「ごめん。ごめん。」って言っていた。

おじさんに「仕事はどうでした?」って聞いた。
写真が売れたか気になった。
おじさんは「やっとある程度片付いたよ。」って言った。
おじさんの写真が売れたんだと思った。
嬉しくなった。

それと同時に寂しくなった。
おじさんの仕事が終わったら、この旅館にいれなくなると思った。

おじさんと久しぶりに夕食を一緒に食べた。
夕食が終わってからおじさんが話し出した。

おじさんは「ご両親は心配してると思う?それとも帰ってくるなと考えていると思う?」って聞いてきた。

この時にはおじさんはお父さんみたいだというと可哀想だから、お兄さんはいないけどお兄さんみたいだと思い始めていたから、聞かれてもうっとおしいとか腹が立つとかは無かった。
それとおじさんと別れる日も近づいているから最後ぐらいは素直になろうとも思った。

私は「心配してると思う。」って言った。
おじさんは「今でも君の事を探していると思う?」って聞いてきた。
私は「思う。」って答えた。
おじさんが「君が迷わずにそういい切れるのは信頼関係もあってすごく良いご両親みたいだね。」って言った。
おじさんは「なら必死で今でも探しているだろうね。」って言った。

私は黙ってしまった。

おじさんは「これからどうしたい?」って聞いた。
私は答えられなかった。
「彼とやり直したい?」って聞いた。
私は「それは絶対に嫌!二度と会いたくない!」って言った。
「ならどこか遠くで、ご両親とは一生会わず子供と二人だけで暮らしたい?」って聞いた。
私はまた黙ってしまった。

「ご両親とは暮らしたくないの?」って聞かれた。
私は「お父さんとお母さんを裏切ってしまって合わせる顔がない。怒られるのも怖い。」って正直に言った。
おじさんは「でもご両親は心配してるって言ったよね。今でも探しているって思っているよね。」って言った。
私はうなずいた。

「心配させたんだから怒られるのは仕方がないよ。でもそんなのは最初の一瞬だ。後は君の事や子供の事が無事だったと分かったら、泣いて喜ぶよ。」っておじさんは言った。
私はそうかもって思った。

おじさんは「君はまだ若いし少し前まで子供だったかもしれないけど、子供を産んだ時点で母親になったんだ。自分が怒られるのが怖い、合わせる顔がないって事を考える前に、子供が幸せに生きていくためにはどうすれば一番いいか考えてみよう。」って言った。

「子供は大事だよね?」って言われた。
私は大きくうなずいた。
「子供と君がどちらかが不幸になるなら、どっちが不幸になればいいと思う?」って聞かれた。
私は即答で「私に決まってます!」って言った。
「子供を不幸になんかしたい母親はいないです!」って言ってやった。
心からそう思った。

おじさんは「だったら、答えはでてるんじゃない?」って言った。
私はハッとした。

おじさんは「君は家出したんだ。だからご両親に怒られるのは仕方ない。でも子供は悪い事はしていない。子供は悪い事をしていないのに、君のせいで怒られたくないからって家に帰れないのは可哀想だと思う。」「君の今の状態が幸せだとは思わない。なら君と一緒にいる子供も幸せじゃないよね。」って言った。

確かにそうかもって思った。
子供を私の都合で連れ回しているって思った。

「ご両親は今幸せだと思う?」って聞かれた。
私は「私と子供が行方不明だから幸せじゃない。」って答えた。

「なら今は子供も不幸だしご両親も不幸だって事だよね。君のせいで。」って言われた。
私は何も言えなかった。

「だったら君が怒られる覚悟と謝る覚悟があるなら、子供はご両親のいる家に戻れるし、君もご両親もみんな幸せになるんだよ。」って言った。
「君も含めて4人が幸せになるんだよ。」って言った。
「家族全員が幸せになるんだよ。」って言った。

「子供を不幸にしたくないなら出来るよね?」って言った。
「ご両親を不幸にしたくないなら出来るよね?」って言った。

「ごめんなさい。っていうだけでみんな幸せになるんだよ」って言った。

おじさんの話を聞いてなんか涙が出た。
私が一番不幸だと思っていた。
お父さんとお母さんには心配させているとは思ったけど、不幸になっているとは思わなかった。
子供も不幸になっているとは思わなかった。
私のせいでみんなが不幸になっているとは思わなかった。

私はずっと泣いていた。

おじさんは「明日の朝にどうしたいか返事を聞かせてほしい。」って言って自分の部屋に戻っていった。
私はおじさんがいなくなってからもずっと泣いていた。
しばらくしたら仲居さんが来て「今日はもう帰るね〜。」って言いに来た。
でも私が泣いているのを見てびっくりして「どうしたの?」って言って話を聞いてくれた。

私は仲居さんにおじさんに言われた事を話した。
仲居さんにも両親は死んだっていう事だけは嘘を付いていたから謝った。
仲居さんは「都合よく両親は死なないからわかってたわよ。」って言ってくれた。
仲居さんは「田中さんの言うとおりだと思うわよ。」って言った。
「子供の定期検診もあるし、母乳で育てていたから赤ちゃんは今は免疫があって病気になりにくいけど、もう少ししたら免疫も弱まって病気になるかもしれないし、子供の為にも家に帰った方がいいわよ。」って言ってくれた。
「あなたが子供が大事で可愛いように、両親もあなたが大事なのよ。あなたの子供が大事なのよ。」って言ってくれた。

私はまた泣いてしまった。
仲居さんはずっとよしよししてくれた。

私は「明日お母さんに電話する。」って言った。
そしたら仲居さんは「寂しくなるけどそれが一番だね。」って言ってくれた。
私はまた涙が出た。
仲居さんも泣いていた。

暫く旅館に初めて来てから今までの事をずっと話していた。

次の日におじさんに「お母さんに電話します。」って言った。
おじさんは「母親に電話をしたら、旅館の滞在の事を話さないといけないから、電話を変わってほしい。」って言った。
私は驚いた。
私は「おじさんは私に何もしてないし良い人だって分かるけど、両親は知らないから話したらおじさんは誘拐犯になるかもしれないよ。」って言った。
おじさんは「それでも隠しておく事は出来ないから話さないといけない。僕からも事情を説明するから。」って譲らなかった。
私はしぶしぶ認めた。

お母さんに電話をする時は緊張した。
中々通話ボタンを押せなかった。
でも頑張って押した。

お母さんはすぐに出た。
「私だけど。」って言ったらお母さんは泣いて中々会話が出来なかった。
私も泣いてしまって、さらに会話が中々出来なかった。
それでも「私も子供も元気で今は旅館で暮らしている。」って言った。
おじさんが部屋に入ってきて「変わってほしい。」って言った。
感動の場面なのに場が読めないおじさんだなって思ったけど、しぶしぶ変わった。

おじさんは「話が長くなるから自分の部屋で話してくる。」って言って15分ぐらい帰ってこなかった。
イライラしていたらおじさんが戻ってきた。
電話を変わったら「明日旅館に迎えに行くから。」ってお母さんが言った。
私から家に戻ろうと思っていたけど、お母さんが来るとは考えていなかった。
「田中さんによくお礼を言うように。」って言っていた。
電話だけでお母さんを信用させたおじさんって凄いなって思った。

明日旅館を出る事になった。
なんか急に寂しくなった。
仲居さんに明日帰るって話しに行った。
仲居さんは驚いていたけど、涙目になって「良かったね。」ってよしよししてくれた。
「寂しくなるね。」って言った。

夕食の時間になった。
そしたらいつもの5倍ぐらい豪華な食事が出てきた。
びっくりした。
仲居さんに聞いたら、女将さんが今日は特別だからって用意したって言った。
うれしかった。
そしたら仲居さんがおじさんが座る場所に座って、「頂きましょうか。」って言った。
私は「え?」って言ったら、仲居さんは「田中さんに聞いてない?田中さんが最後だからあなたと夕食を一緒に食べれるように女将さんと交渉してくれたんだよ。」って言った。

さらにびっくりした。
サプライズってやつだった。
おじさんの評価が一気に10段階ぐらい上がった。

沢山お喋りして、携帯番号とかメールアドレスを交換した。
仲居さんは手紙を書くねって言ってくれて住所も教えあった。
最初は楽しくお喋りしていたけど、食事が終わる頃には二人で涙目になっていた。
仲居さんと別れるのは嫌だった。
でも仕方なかった。
私は幸せになる為に家に帰るんだから。

仲居さんとこの日は遅くまでずっとずっとお喋りしていた。

朝の8時にお父さんとお母さんが迎えに来た。
お父さんは仕事の日だから来ないと思っていたけど、来たからびっくりした。
でも私は怒られる覚悟は出来ていたから大丈夫だった。

お父さんとお母さんが私の部屋に入って来た。
お母さんは私を抱きしめて泣いていた。
お父さんも立ったまま泣いていた。
私は「お父さん、お母さん。本当にごめんなさい。」って謝った。
お父さんもお母さんもうんうんってうなずくだけで怒らなかった。
お母さんが「大きくなって。」って言って子供を抱っこした。
涙が出た。

お父さんとお母さんに今までの事を正直に話した。
お父さんもお母さんは黙って話をきいてくれた。
全部話し終わったらお母さんは「もう大丈夫だから。」って言った。
お父さんも「これからは4人で楽しく暮らそうな。」って言ってくれた。
また涙が出た。
まったく怒られなかった。
お父さんとお母さんが「田中さんに挨拶をしたい。」って言った。
そういえば昨日の夜からおじさんを見かけなかった。
電話で仲居さんに聞いたら、「部屋にいるはずですよ。」って言った。
お父さんとお母さんにそう言ったら、二人で行ってくるって言って、おじさんの部屋に入って行った。
私は1回だけ、こっそり入った事はあるけどそれ以外は入った事がなかったおじさんの部屋に、お父さんとお母さんが入るのは不思議な感覚だった。

1時間ぐらいでお父さんとお母さんは出てきた。
おじさんも出てきた。
お父さんとお母さんは何度も、何度もおじさんに頭を下げていた。
おじさんが両親に信用されているのに改めてびっくりした。

私の部屋は私と子供の荷物が結構沢山あった。
ダンボールを仲居さんに何個か貰って、詰め込んだ。
お父さんが全部車に詰め込んでくれた。
そしたらおじさんがチャイルドシートを持ってきた。
「もう使わないから、これも持っていきな。」って言った。

この時初めておじさんともお別れなんだって思った。
もう会う事はないんだと思った。
おじさんは困った人は助けるけど、どこか冷たい所もあって私が両親と帰ったら、私はもう困らないから連絡なんかしない人なんだなって分かってきた。
そしたら悔しいけど涙が出てきた。
私は正座した。
正座して頭をおじさんに下げた。
「今まで本当にお世話になりました。ありがとうございました。」って頭を下げた。

おじさんは恥ずかしそうに「おう〜」って言った。
だから私も「おう〜」って言った。
二人で笑った。

お父さんとお母さんは最初は不思議そうな顔をしていたけど、一緒に笑った。
そしたら子供も声を出して笑った。
びっくりした。

ロビーに行ったら、旅館の人がみんな見送りで集まってくれた。
仲居さんと抱き合ってお礼を言った。
女将さんやみなさんにもお礼を言った。
みんな「良かったね。」「元気でね。」って言ってくれた。
なんか、新しい生活に向かうみたいな気持ちになった。

おじさんも「元気でな。」って言った。
私は「はい!」って元気に答えた。
そしたら子供がおじさんに向かって、両手を差し出した。
「抱っこして」って言っているみたいだった。
だから私は「最後に子供を抱っこして下さい。」って言った。
おじさんは困った顔をしたけど、抱っこしてくれた。
おじさんと子供の初めての抱っこだった。
子供はニヤって笑っていた。
だから私もニヤって笑った。

私はおじさんから借りた携帯を返して、お父さんの車に乗った。
本当は持ってていいよって言ってくれるのを期待したけど、おじさんは受け取ってしまった。
私は何も言えなかった。

仲居さんや女将さんや旅館の人が手を振ってくれた。
おじさんは仲居さんの隣にいたけど手は振らなかった。
でも恥ずかしいんだなって分かっていたから許す事にした。

旅館を出て温泉街から離れたらお母さんが「良い人達に出会えてよかったね。」って言った。
私は「うん!」って言った。
なんか、旅館の生活を思い出したら寂しくなって涙が出てしまった。

旅館の人達に感謝した。
仲居さんに感謝した。
おじさんに感謝した。

でも
1年後に事実を知ってしまった。
おじさんと私の出会いは偶然ではなかった。
おじさんと出会う前からおじさんは私を知っていて私を見張っていた。

おじさんはお父さんに雇われたトランっていう探偵だった。
私は騙されたって思った。
おじさんの優しさは全部嘘だったんだって思った。
おじさんはお父さんに金で雇われた探偵だった。
トランっていう偽名を使う怪しい人だった。


つづく


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